Vibe Coding!React + GitHub + Cloudflare Pages で、初心者がAPIキー不要・完全無料でアプリを世界公開するロードマップ

AIエージェント(Antigravity)とのVibe Codingで作ったジョークアプリ『Do you love me?』。開発中に直面したCSSの罠やデプロイの失敗と解決プロセスを、実際のスクリーンショットとともに記録します。
AI
React
Web Development
Cloudflare
Beginner
作者

DeepFlows

公開

2026年6月17日

こんにちは、DeepFlowsのHYです。

最近、IT界隈で大きな話題を呼んでいる Vibe Coding(バイブ・コーディング) をご存知でしょうか? これは、人間が細かい文法やコードを書くのではなく、AIエージェントに「こんな感じのアプリを作りたい!」と頭の中のイメージ(バイブス)を伝えるだけで、対話を重ねながら超高速でアプリを形にしていく新時代の開発スタイルです。

今回は、AIエージェントである Antigravity を使用して Vibe Coding に挑戦しました。作ったのは、インタラクティブなジョークアプリ Do you love me? です。

なお、今回の開発にはひとつのルールを設けました。「AIにAPIキーを使わせない」「バックエンドは使用しない」 というものです。 現時点では、AIが生成するコードのすべてを把握・制御できる自信がありません。追いきれない領域には踏み込まず、自分が辛うじて理解できる範囲でAIと対話し、頭をフル回転させながら楽しむ——それが私なりのVibe Codingのスタイルです。

本記事では、前半で、全くの初心者が React + Vite + GitHub + Cloudflare Pages を使って、完全無料で自分の作ったアプリをインターネット上に世界公開するまでの全体マップを分かりやすく解説します。 そして後半では、私とAIエージェント(Antigravity)が開発中に直面した「思わず笑ってしまう失敗」と、デプロイ時の泥臭いトラブルを一緒に乗り越えた「開発記録」をお届けします。

「自分だけのWebアプリを作ってみたい」「AIを活用した Vibe Coding で新しいモノづくりを始めたい」という方にとって、一歩を踏み出すための最高の実践マニュアルになれば幸いです!


🛠️ 【ロードマップ】なぜ「React + GitHub + Cloudflare」の連携が初心者にとって最強なのか?

まず、これから「Vibe Coding」を始めたい初心者にとって、なぜこの3つの組み合わせが最も選ばれているのか、その理由と全体の仕組みを整理します。

1. この構成が選ばれる理由

  • 完全無料で運用コストゼロ: サーバ代や公開手数料は一切かかりません。どれだけアクセスが来ても、ずっと無料でウェブサイトを稼働させられます。
  • プッシュするだけで全自動更新(CI/CD): 一度設定してしまえば、手元のパソコンでコードを修正してGitHubに送る(プッシュする)だけで、Cloudflare Pagesが自動で検知し、数分で本番サイトを最新状態に更新してくれます。
  • AIとの相性が抜群: Vite+Reactはシンプルで無駄なコードが少ないため、AIエージェント(ClaudeやGemini等)がコード全体の構造を理解しやすく、高速に指示を反映できます。
  • APIキー不要でセキュリティリスクゼロ: 今回のアプリはサーバーサイドの処理や外部APIとの連携を持たない、純粋なフロントエンドのみの構成です。秘密情報の漏洩リスクがなく、コードをそのままGitHubに公開できます。なお、将来APIキーを使うアプリに発展させる場合は、.gitignore.envファイルを登録し、GitHubへの誤公開を防ぐことが必須です。

2. データが世界へ公開されるまでの流れ

あなたのパソコン(ローカル環境)から、世界へアプリが届くまでのパイプラインは以下の図のようになっています。

[ あなたのパソコン (Local) ]
      Vibe Codingでアプリを作る・修正する
               │
               ▼  (git push コマンド)
[ GitHub (コードの保管庫) ]
      コードがアップロードされたことを検知
               │
               ▼  (自動で通知・連携)
[ Cloudflare Pages (公開サーバー) ]
      コードをWebサイト用にビルド(自動組み立て)し、世界へ配信!

この流れさえ頭に入っていれば、どこで何のエラーが起きているのかがすぐに見えるようになります。


🎨 どんなアプリを作ったのか?(要件定義)

今回私たちが作ったのは、女性に好まれるパステルカラーと丸いフォントを採用した、ストーリー仕立てのインタラクティブアプリです。

完成したアプリ(実際に動きます): https://do-you-love-me-app.pages.dev/

  • 美しいビジュアル(グラスモーフィズム): 淡いピンクとラベンダーのグラデーション背景に、すりガラス調の半透明カードを配置。
  • ドラマチックな5つの段階:
    1. 0回目: 普通の「Yes/No」ボタン。
    2. 1〜3回目: Noを押すたびに画面が「えっ…?」とショックを受けたように少し揺れ、Yesボタンが徐々に大きく成長する。
    3. 4回目: Noボタンがカード内をフワフワと滑らかに逃げ回るフェーズに突入。
    4. 5回目: 逃げ回るNoボタンにマウスが重なると、ボタンは一時停止。クリックすると、全てが消えて涙目の可愛い子猫が登場。
    5. Yesクリック時: 背景がロマンチックなピンクになり、大喜びする子猫と「ME TOO! ❤️」の文字が表示されてハッピーエンド。

▼ 実際にデプロイされたハッピーエンド画面(画像はAI生成)

喜ぶ子猫(AI生成)

❌ 開発中に発生した3つの「大失敗」と解決法

失敗1:Yesボタン巨大化による「Noボタン隠滅」事件

最初に実装した際、Noボタンを押すごとにYesボタンが爆発的に巨大化するように設定したところ、Yesボタンが画面全体の約9割を覆い尽くしてしまいました。 結果、隣にあるはずのNoボタンが画面外に押し出されるか、Yesボタンの下に完全に埋もれてしまい、2回目以降はNoを物理的にクリックできなくなるという本末転倒なバグが発生しました。

  • 解決策: Yesボタンの最大サイズを 2.5rem(元の約2倍)に制限。さらに、CSSの z-index でNoボタンを常に 10(Yesは 2)に設定し、どのような状況でもNoボタンが最前面に残り続けるようにレイアウトを死守しました。

失敗2:逃げ回るNoボタンが「画面外へ吹き飛んで消える」事件(CSSの罠)

4回目の「Noボタンがやんちゃに逃げ回る」フェーズで、最も奇妙なバグが起きました。4回目になった瞬間、Noボタンが画面から忽然と消え去ってしまったのです。

プログラムの座標計算は完璧なはず。なぜ消えたのか? 原因は、Noを押した時の「画面がショックで揺れる演出(CSSの transform アニメーション)」でした。

実はブラウザの仕様上、「親要素(今回の場合はカード)に transform が適用されている場合、子要素の position: fixed の基準点はビューポート(画面全体)ではなく、その親要素になる」というルールがあります。これにより、画面全体の座標系として計算した絶対値が、カードの左上を基準に適用され、ボタンがカードのはるか外側の画面外に吹き飛んでいたのです。

  • 解決策: 逃げ回る範囲を「画面全体」から「中央の白いカード(.app-container)の内部」に限定し、position: absolute に変更。カードの寸法をJavaScriptで動的に取得してその内部でのみ動くように座標計算を書き直しました。

失敗3:ボタンがやんちゃすぎて「誰もクリックできない」問題

マウスがボタンに近づくと瞬間移動するように逃げる設定にしたところ、動きが速すぎて人間がクリックすることは不可能になり、5回目の涙目猫に一生たどり着けない「無理ゲー」になってしまいました。

  • 解決策: 2つの調整を入れました。
    1. ボタンの移動速度をゆっくり滑らか(transition: 0.8s)にする。
    2. 「マウスがボタンに重なっている(引っかかっている)間は逃げない」 というロジックを実装。マウスをうまく重ねる(ホバーする)と、ボタンはピタッと動きを止めます。これにより、「追いかけっこ」のゲーム性と「捕まえられる嬉しさ」が絶妙に調和しました。

▼ 捕獲後に登場する涙目の子猫(Yesボタンだけがドクンドクンと鼓動します。画像はAI生成)

涙目の子猫(AI生成)

🌐 【開発記録】Cloudflare Pages デプロイ時の試行錯誤

GitHubにアップロードしたアプリを、実際にインターネット上へ公開するまでのCloudflare Pagesの設定プロセスでも、いくつかの「初心者あるある」な罠がありました。実際のスクリーンショットと共に振り返ります。

なお、GitHubやCloudflare Pagesの新規登録・初期設定手順については、YouTubeなどで専門家による解説資料や動画が豊富に公開されていますので、詳細はそちらをご参照ください。

Step 1:どこからPagesを作成する?

Cloudflareのダッシュボードに入り、最初のプロジェクトを作成するための青いボタンを探すところからスタート。 * HYさん: 「この右上か?」 * AI: 「はい、まさにその右上の『アプリケーションを作成する』ボタンです!」

Cloudflare ダッシュボード

Step 2:WorkersとPagesの入り口

次の画面に進みましたが、デフォルトでは「Workerの作成」画面になっており、Pagesの入り口が少し見えにくい場所にありました。

  • HYさん: 「この下のPagesだね」
  • AI: 「大正解です!パネルのすぐ下にある『Pagesを導入しようとお考えですか? 始める』をクリックしてください!」

※ここでは必ず「Pages」を選択してください。「Worker」ではありません。

Pagesの入り口リンク

Step 3:インポート方法の選択

  • HYさん: 「ここでGit?」
  • AI: 「はい!『既存の Git リポジトリをインポートする』の『始める』ボタンをクリックします!」

インポート選択

Step 4:リポジトリが表示されないバグ(GitHub権限の壁)

連携を進めると、GitHubにあるはずの do-you-love-me-app がリストに表示されず、以前作った deepflow しか見えないという定番のバグ(仕様)に遭遇しました。 * HYさん: 「これ?」 * AI: 「リポジトリが表示されていませんね。GitHub側の設定(Cloudflare Pagesアプリのアクセス許可)で、新しく作ったリポジトリに権限を追加する必要があります!」

リポジトリが見当たらない

Step 5:GitHubでの設定変更

GitHubのセキュリティ設定画面に飛び、新リポジトリを選択します。

GitHub権限設定画面
  • HYさん: 「これでいい?DeepFlowsもあるけど」
  • AI: 「完璧です!既存の deepflow への権限を残したまま、新しく do-you-love-me-app もリストに正しく追加されています!」

2つのリポジトリを保存する状態
  • 余談(Danger Zone?): 画面の端にある警告欄を見て「Danger zoneって何か怖いね」と感じるのも無理はない。AIエージェント(Antigravity)が「全解除ボタンがあるだけなので、Saveボタンさえ押せば安全ですよ!」とすぐに補足した。

Step 6:リポジトリの表示成功!

GitHubで設定を保存し、Cloudflareの画面に戻ってリロードすると、無事に新リポジトリが表示されました。 * HYさん: 「元々開いてたページはこうなった」 * AI: 「バッチリ表示されましたね!選択して『セットアップの開始』をクリックします!」

リストに表示されたリポジトリ
  • ※もし途中でCloudflareのダッシュボードに戻ってしまっても、「Workers と Pages」カードの「+」ボタンから簡単に元のデプロイ画面に戻ることができます。

Cloudflare ホーム画面

Step 7:ビルド設定とデプロイ完了

最後の難関はビルド設定です。プリセット一覧に「Vite」がなく、別の「VitePress(ドキュメント用ツール)」を選びそうになりましたが、プリセットを「なし」に設定し、手動でコマンドを入力することで解決しました。 * ビルドコマンド: npm run build * ビルド出力ディレクトリ: dist これで「保存してデプロイ」を押すと自動ビルドが走り、見事デプロイが完了!無事に世界へ公開されました。 * HYさん: 「動いてる。」 * AI: 「おめでとうございます!デプロイ大成功です!」

公開ウェブサイトのURL: https://do-you-love-me-app.pages.dev/


💡 おわりに

「Do you love me?」というありふれたジョークアプリ開発でしたが、AIエージェントと密にコミュニケーションを取りながら試行錯誤を重ねることで、細かいUXの重要性や、CSSの深い仕様といった本質的な学びに満ちたプロジェクトになりました。

特に、初心者が最初につまずきやすい「Gitのコマンドの罠」や「GitHubのアクセス制限」「Cloudflareのビルド設定」は、実際にエラーを体験したからこそ分かりやすく記録できた貴重なノウハウです。

何より、数時間の「Vibe Coding」で、デザインの最適化、バグの克服、整理された公開作業までをハイスピードで完結できるAIとの協働プロセスのパワーを再確認できました。

「APIキー不要・バックエンドなし」という制約は、単なる安全策にとどまりません。自分が理解できる範囲でAIと向き合い、コード全体を辛うじて追いながら頭をフル回転させる——そのバランスこそが、Vibe Codingの本当の醍醐味だと感じています。

DeepFlowsでは、今後も地下水数理物理の「本丸」を突き詰めつつ、こうした最新のAI技術を活用したユニークな開発プロセスや初心者向けガイドも Note として発信していきます。

例えば、本サイトで連載しているPHREEQCをゼロから始めるシリーズのような地球化学の専門分野のコード作成やモデリング設計においても、AIエージェントは高度なトラブルシューティングやパラメータ換算の壁を乗り越えるための最高のアシスタントになってくれます。

皆さんもぜひ、AIと一緒に「Vibe Coding」で自分の作品を世界に向けて発信してみてください!